○白石市環境基本条例
平成7年9月29日
条例第22号
私たちの郷土白石は、豊かな自然の恵みの中で、先人が残した伝統的な緑や水の文化をはぐくんできた。
しかしながら、近年の社会経済活動の進展により、私たちの生活の利便性が高まる一方で、資源及びエネルギーの大量消費がもたらされ、自然の生態系に影響を及ぼし人類共通の生活基盤である地球環境までが脅かされるに至っている。
私たちは、自然を愛し、自然とふれあいながら、環境のもたらす恩恵に浴すとき、あらゆる活動において地球環境の保全及び創造に努めるという新しい価値観に支えられた環境文化を築いていかなければならない。
私たちは、健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する権利を有するとともに、その環境を保全する責任と義務を担い、豊かな自然と美しい郷土の構築を進め、将来の世代に引き継ぐ使命を有している。
このような認識の下に、本市の良好な環境の保全及び創造に向けて、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、良好な環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、事業者、市民及び滞在者の責務を明らかにするとともに、良好な環境の保全及び創造に関する施策の基本的な事項を定めることにより、良好な環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採取のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。
(3) 滞在者 通勤、通学、観光その他の目的で市に滞在する者をいう。
(基本理念)
第3条 良好な環境の保全及び創造は、市民が健康で快適な生活を営むうえで欠くことができないものであり、人と自然が共生できる地域の実現を図るため、人類存続の基盤である環境を将来の世代に継承されるように行われなければならない。
2 良好な環境の保全及び創造は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な地域を構築するため、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。
3 地球環境の保全は、すべての事業活動及び日常生活において環境への負荷の低減を図ることにより、推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念にのっとり、良好な環境の保全及び創造に関し、当該地域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、良好な環境の保全及び創造のために次に掲げる措置を講ずる責務を有する。
(1) 事業活動に伴って生ずるばい煙、粉塵、汚水、騒音、振動、悪臭、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要なこと。
(2) 物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適正な処理が図られるために必要なこと。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他良好な環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活において、環境への負荷の低減に自ら努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、良好な環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(滞在者の責務)
第6条の2 滞在者は、基本理念にのっとり、環境への負荷の低減等、良好な環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する良好な環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(環境への配慮)
第7条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
(環境基本計画)
第8条 市長は、良好な環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 良好な環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、良好な環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、白石市環境審議会の意見を聴かなければならない。
5 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(規制の措置)
第9条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。
2 市は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。
(森林の保全)
第10条 市は、人と自然が共生する緑豊かな地域の形成を図るため、森林の保全その他の必要な措置を講ずるものとする。
(緑の創造)
第11条 市は、地域環境の歴史的文化的遺産である自然林を愛護するとともに、市民の生活に潤いと安らぎをもたらす水辺や森林の持つ環境保全能力を将来の世代に継承していくため、積極的な緑の創造に努めるものとする。
(水環境の保全)
第12条 市は、水源地域としての良好な水環境を保全するため、国、他の地方公共団体その他の関係機関等と連携し、かつ、事業者、市民及び滞在者(以下「事業者等」という。)の参加又は協力を得て、必要な措置を講ずるものとする。
(公共的施設の整備等)
第13条 市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設の整備その他の環境保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、公園その他の公共的施設の整備その他の良好な環境の創造のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(廃棄物の減量の促進等)
第14条 市は、環境への負荷の低減を図るため、事業者等による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用に努めなければならない。
(環境管理体制の整備の促進)
第15条 市は、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行う事業者が、環境への負荷の低減を図るため、その事業活動を行うに当たり自主的に環境管理に関する体制の整備を推進することができるように、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境教育の振興等)
第16条 市は、関係機関及び関係団体と協力して、良好な環境の保全及び創造に関し、教育及び学習の振興並びに広報活動の充実を図ることにより、事業者等がその理解を深めるとともに、これらの者の良好な環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(良好な環境の保全及び創造に関する活動の促進)
第17条 市は、事業者等又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う良好な環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(地球環境の保全の推進)
第19条 市は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全に資する施策を推進するものとする。
2 市は、国、他の地方公共団体、民間団体等その他の関係機関等と連携し、地球環境の保全に資する情報の提供、環境の状況の監視及び測定等を実施することにより、地球環境の保全に資する国際協力を推進するよう努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第20条 市は、良好な環境の保全及び創造に関し、広域的な取組が必要とされる施策について、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
(財政上の措置)
第21条 市は、良好な環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(審議会)
第22条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全及び創造に関する事項を調査審議するため、白石市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(組織)
第23条 審議会は、委員12人以内で組織し、委員は、次に掲げる者のうちから市長が任命する。
(1) 学識経験のある者
(2) 関係団体を代表する者
(3) 関係行政機関の職員
(4) その他市長が必要と認める者
2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
(会長等)
第24条 審議会に会長及び副会長各1名を置き、委員の互選によって定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第25条 審議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。
2 審議会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(部会)
第26条 審議会は、必要に応じ部会を置くことができる。
2 部会に属する委員は、会長が指名する。
3 部会に部会長を置き、部会に属する委員のうちから互選する。
4 部会に関し必要な事項は、会長が定める。
(庶務)
第27条 審議会の庶務は、市民経済部環境課においてこれを処理する。
(委任)
第28条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(白石市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正)
2 白石市特別職の職員の給与に関する条例(昭和42年白石市条例第2号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
附則(平成27年9月18日条例第40号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成31年3月8日条例第5号)
この条例は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月10日条例第1号抄)
この条例は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和5年12月18日条例第32号抄)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。